商売とは

「商品」と「製品」の違い のページでもご紹介しましたが、「商」は「外よりして内を知るなり」、「お客さま目線で見る」といった意味でした。

では、商売とはどのような意味でしょうか。

またもや漢字の話しです。
(学生時代、漢字は苦手だったのですが、「ことば」について色々考えたり調べたりすると、漢字とふれあう機会が多いのです。)

「売」の前に「買」という漢字の成り立ちからお話ししたいと思います。

「買」という漢字は、貝の上に「四(よん)」といった漢字が乗っかっているように見えますが、「四」ではなく、もともと古代文字では「あみ(網)」でした。
ですので、「買」は、網で貝をすくうように、価値のあるものを手に入れることことだったようです。
(昔は「貝」が価値あるもので、お金のかわりでした。下の方でちょっぴり詳しく説明します。)

そして「売」という漢字はもともと「賣」という漢字で、「買」の上に「出」の古代文字です。

「買」が価値あるものを手に入れるで、「売」は「価値のあるものを出す」という意味なのです。

つまり「商売」は、「商」は「お客さま目線で見る」という意味ですから、「売」の「価値のあるものを出す」とつなげて、「お客さまから見て、価値のあるものを出す」といった意味になります。
(自分から見て価値のあるものではありませんよ。)

これが、「商売」というものだと思います。

ちなみに、もっと単純に考えて「外側からの目線」で「売る」だけでもいいと思います。

「お客さまの目線」で「売る」
「お客さまの、その先(もっと外側)の目線で売る」
と視点を広げて考えてみると、もっと楽しくなります。

例えば、印刷屋さんで車屋さんの「チラシ」のお仕事があるとします。
キレイにチラシを印刷するのは当たり前ですよね。

そのもっと先まで考えてみましょう。
そのチラシを見た家族が興味をもって、車屋さんに行って、車を購入したところまで考えてみてはいかがでしょうか。

車屋さんは車を買っていただいて喜ぶ。チラシを見た家族は欲しい車を購入できて喜ぶ。
車屋さんにも車を購入した家族にも喜んでいただけます。そのきっかけは、たった1枚のチラシかもしれません。

もっともっと広げてみましょうか。
車を買った家族が、週末に新しい車に乗ってみんな笑顔でドライブに出かける。
お昼は、空気がキレイな公園で、お母さんが作ったお弁当を家族みんなで食べる。
帰りには、子供が疲れてしまって、チャイルドシートで寝てしまう。
運転席と助手席では、お父さんとお母さんが「この車を買ってよかったね。」とつぶやく。

その家族の帰りを待つ家のリビングの壁には、あのチラシ。
今日のドライブで、家族に幸せな時間を届けた車の部分には、赤ペンで丸がつけられて、ピンで止められていました。

そんな幸せをつくるきっかけは、自分が担当した1枚のこのチラシ。
そう考えてみるだけでも、とてもステキですよね。

そんなことあるわけ無いかもしれません。でも、そんなことがあるかもしれない。

そして、お客さまのその先にある幸せを考えて売る方が、商売楽しくなるはずです。

「売」は「価値のあるものを提供する」ですから。

「お客さまの、その先(もっと外側)の目線で売る」それが「商売」。

あなたの商売も「お客さまの、その先(もっと外側)の目線で売る」ことで、売上が上がって、もっと幸せを広げることができますように。

豆知識

「貝」は、古代の中国で大変貴重なものであり、宝石やおかねと同じ価値のあるものとされた、子安貝をあらわすようです。
ですので、貝のついた漢字は、お金に関係する漢字が多いようです。
知っている例だとこのような漢字があります。

  • 「貧」貝を分けることから、すくなくなるといった意味。
  • 「貯」貝を入れる入れ物から、たくわえるといった意味。
  • 「得」ちなみにこの漢字も貝関連。左の彳は道、右側は古代文字で貝を手にする形。つまりよそへ出かけて貝を手に入れるというといった意味。

もっと興味のある方は、白川静博士の白川漢字学の系譜に連なる漢字研究家:伊東信夫(いとう・しのぶ)先生の本がおすすめです。
伊東信夫の本は、子どもや教師に漢字の面白さを伝える講演をしているだけあって、すごいわかりやすく書かれています。
(白川静博士の辞書は、専門家向けなので、漢字が苦手な自分にとっては、ちょっと難しかったです。)

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